東京の端より愛をこめて

東京の端より愛をこめて

WITH LOVE FROM THE EDGE OF TOKYO

平和賛歌を歌うということ

乃木坂46時間tvが終わった。握手会もライブもできない状況の下で我々ファンを楽しませようとスタッフ、メンバーが一丸となって番組を作り上げてくれた。内容は百点満点ではないだろうけれども、乃木坂の良さを再確認できたという点で間違いなく最高の番組だった。

 

そんな46時間tvの終盤、ソーシャルディスタンスライブにおいて披露された曲、「Sing Out!」が最高すぎたという話。

 

 

この曲が発表された一年前、正直全く響かなかった。とくに大仰な歌詞が好きになれなかった。ライブでの評判は上々だったらしいが、残念ながら生で聞く機会はなかった。

 

歌詞のテーマは「互いを思って世界を幸せにしよう」といったところだろうか。一年前の僕はこの歌詞を素直に受け止めるにはあまりにも平和ボケしていた。

世界が危機に陥る?誰とも会えない?音楽を自由に鳴らせない?そんなことあるわけないじゃん。一年前の僕には「シンクロニシティ」の劣化版、としか感じることができなかった。

 

けれど一年で世界の風景は一変した。当たり前は当たり前でなくなった。友達とマックで駄弁ったり、ライブで叫んだり。そういったものはどこかへ行ってしまった。

さらに最近では誰かが誰かを傷つけ、報復し、また傷つけるという負の連鎖が世界中に広まっている。

意識はせずともかなり気が滅入っていたようだ。

 

そんな中開催されたのが「46時間TV」だった。メンバー、スタッフのおかげで笑いあり、涙ありの時間を過ごし、久しぶりに心が休まった。

そしてフィナーレで三か月ぶりのライブがソーシャルディスタンスを保ちながら披露された。メンバーもファンも完全に納得した形ではなかっただろう。けれども「はなれってたって、ぼくらはいっしょ」のスローガンの下、今できる最大限のパフォーマンスだったことは間違いない。

 

ここからが本題だ。

 

そんなライブの9曲目、「Sing Out!」で泣いた。

ここにいない誰かのために今なにができるのだろう

みんなが思えたら良い

自分の幸せを少しずつ分け合えば笑顔は広がる

綺麗言に、理想論に聞こえるかもしれない。それでも46時間を通してメンバー同士で思い合い、さらに沢山の人に笑顔や愛を届けた乃木坂46が歌うことでこの歌の強度が段違いになる。

 

ここにいない誰かもいつか

大声で歌う日が来る 知らない誰かのために

人は皆弱いんだ お互いに支えあって前向いて行こう

真っ直ぐすぎる言葉だ。僕の好きな音楽の先人たちの言葉に比べたら軽くて薄いかもしれない。それでも、世界へ笑顔を届けようと46時間を乗り越えた彼女たちがこの歌詞を歌う姿に僕は涙を我慢することはできなかった。

 

本当にこの時代に乃木坂と出会えてよかった。

早くファンとメンバーが一緒にこの曲を大声で歌える時がこないかなぁ。

 

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