東京の端より愛をこめて

東京の端より愛をこめて

WITH LOVE FROM THE EDGE OF TOKYO

「アギト」50話で飛び立つ鳩の話。~アギト屈指の名シーン~

今の僕の血肉となっているのが平成仮面ライダー一連の作品群だ。

 

現在も東映特撮ファンクラブで何回目かの仮面ライダー周回の真っ最中だ。

 

そして、ついこないだ見終えたのが仮面ライダーアギト

https://www.kamen-rider-official.com/zukan

 

そんな「アギト」の中で僕が一番いいなぁと思ったシーンがタイトルに書いたシーンである。

 

第50話、時間でいえば(東映特撮ファンクラブ内)22:30以降のシーンだ。

 

ここまでの展開を少し。まずアギト本編の物語は46話で終わった。それぞれの戦士は紆余曲折の末に「アギトの力」を受け入れた。敵のラスボスはダメージを追って表舞台から姿を消した。

47話からの5話はその1か月後を舞台としている。翔一や涼はそれぞれの好きなものに関係するバイトを始めた。誠は捜査1課において不審な事件を追っていた。その事件とは人が勝手に自殺する、というもの。敵の親玉=闇の力が仕組んだものである。闇の力は再び動きだし、手下の怪人も動き出す…

 

この5話はアギト本編でも触れられた「人の可能性」をキーワードとしている。「アギト」に覚醒する可能性がある人類を滅ぼそうとする闇の力。「アギト」は普通の人類を脅かす者だ、としてアギトを抹殺しようとする者、「アギト」は人の可能性である、とする者。

 

そんな思惑が交錯する中で、翔一の働く店の見習いシェフ・可奈が「アギトの力」に覚醒する。逃げるように自殺を試みる可奈を必死で食い止める翔一。「アギトの力」を持ったことで自殺した恋人(翔一の姉)を重ねた偶然居合わせた沢木哲也も手を貸す。

 

なんとか自殺を踏みとどまり、落ち着いて公園で会話する3人。

 

翔一は「可奈さんの料理を食べて幸せになる人がいる」と未来の可能性を提示する。

 

可奈は「それでも分からない」とアギトの力を持ってしまった自分を受け入れることができない。

 

その前に現れる怪人。

 

翔一は可奈の前で変身する。

 

それを見て驚いた表情の可奈。彼女の後ろで鳩が飛び立つ!

 

そして「生きてください!」と投げかけるアギト=翔一。

 

この鳩が飛び立つシーンが好きだ。アギトの力を持ってしまい絶望している自分の前にいる希望に溢れた明るい男=翔一。その翔一が自分の忌み嫌うアギトの力の持ち主だった。

 

「アギトの力を持っていても悲しみに暮れる必要はない、生きれるんだ。」

 

可奈はアギトに変身した翔一を見てそう思ったに違いない。その心情を偶然なのか演出なのか、可奈の驚いた表情とともに後ろで飛び立つ鳩が象徴しているように思えるのだ。

 

映像でしかなせない、リアルで制作しているから生まれた奇跡であり、「人の進化の可能性は無限」という「アギト」のテーマを内包した屈指の名シーンだと思う。

 

 

仮面ライダーアギト Blu-ray BOX 3<完>

仮面ライダーアギト Blu-ray BOX 3<完>

  • 発売日: 2017/01/11
  • メディア: Blu-ray